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Dell U3223QEモニターを2年越しにレビューする。
俺は基本的にモニターレビューが好きではない。
なぜなら詳しく書きたくなってしまうから。
モニターは奥が深く、ちゃんと魅力を伝えるには、本体以外の補足事項がめちゃくちゃある。
要するに生真面目な人間には非常にコスパが悪い…。
もう1つは、レビューしてもすぐ新作が出て入れ替わってしまうからだ。
約4年前に書いたモニターレビューがまさにそれで、以降は避けてきたのである。
しかし今回、4枚環境のうちの1台が故障してしまったため、Dellテクニカルサポートに連絡してみた。
その対応があまりにも良かったので、2年以上使っているモニターをいまさらレビューする。
もちろん、そこら辺に転がっているレビューより徹底的に深堀りしたので質は保証する。
俺のレビューで少しでもDellユーザーが増えればとの思いからだ。
メーカー:Dell
サイズ:31.5インチ
解像度:4K
画面:ノングレア
4辺スリムベゼル
最大90W給電対応
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U3223QEを一言でいうと、中級者向けモニターだ。
27インチと31.5インチの差がわかる、カラーマネージメントモニターは高すぎて手が出ない…。
そんな方にちょうど良いスペックといえるだろう。
項目 | スペック |
---|---|
製品名 | U3223QE |
画面サイズ | 31.5インチ |
画面タイプ | フラット |
ディスプレイ | ノングレア 3Hハードコーティング ComfortView Plus ※.低ブルーライトLED |
パネルタイプ | IPS Black ※.黒色が深くなり、暗いシーンに強い |
解像度 | 4K 3840×2160 |
リフレッシュレート | 60 Hz |
アスペクト比 | 16:9 |
画素ピッチ | 0.18159mm 約60cm離れて人間が区別できるが0.14mm |
インチ毎ピクセル(ppi) | 137.68 理論値の140.28よりやや低いが問題ない |
輝度 | 400 cd/m² |
コントラスト比 | 2000:1/2000:1(ダイナミック) |
色域 | 100% Rec 709, 100% sRGB, 98% DCI-P3 |
最大表示色 | 10.7億色 |
水平視野角 垂直視野角 | 178° |
搭載ポート | HDMI 2.2 DisplayPort 1.4(入力) DisplayPort 1.4(出力) USB-C 1(映像出力&90W給電) USB-C 2(データ専用&アップストリーム) USB-C 3(15W 10Gbps&ダウンストリーム) USB-A 3.2 Gen2×5ポート 3.5mmジャック LAN RJ45 |
入力電圧 | AC 100-240V(50/60 Hz) |
消費電力 | 29.4 W 最大220 W |
動作温度 | 0〜40℃ |
VESAマウント | 100×100mm |
スピーカー | 非搭載 |
サイズ | スタンドあり 横幅:71.261cm 奥行:23.317cm 高さ:46.934cm 重量:9.88kg モニターのみ 横幅:71.261cm 奥行:5.578cm 高さ:41.004cm 重量:5.64kg |
ベゼル幅 | 上左右:7mm 下:9mm |
発売日 | 2022年2月16日 |
価格 | 96,101円 公式サイト:2024年5月17日時点 |
突出した機能はないが、普通に使える4Kモニターという感じ。
このモデルからパネルが通常の「IPS」から黒色がよく映る「IPS Black」に変更されたが、劇的に変わるほど変化はないので期待しすぎないように。
とはいえ発売から2年以上経過してるけど、後継機も出ていないし、今も人気のモニターだよ
まずは31.5インチサイズがピンとこない方のために、いろいろな角度から比較してみた。
デスクとのバランスや使用する向きを考慮した上で問題なければ、レビューの続きを読んでほしい。
縦向きでモニターを使用したいなら、31.5インチは高すぎて目線移動が疲れる。
その場合は、24〜27インチがおすすめだ。
奥行は120cmのみ60cm、そのほかは70cmに設定。
側面から見たイメージは以下をどうぞ。
それぞれ奥行60〜80cm。
付属のUSB-Cケーブル(1m)で接続すれば、最大90Wで充電しながら、ノートパソコンの外部モニターとして利用できる。
MacBook Pro16インチ(140W必要)など一部の高出力機器を除けば、モニターが充電器の役目を果たす。
1mのUSB-Cケーブルが付属してるよ
長さが足りない場合は以下を参考まで。
これまではブルーライトカットを適用するには、モニターメニューから「Comfort Vlew」のプリセットを選択する必要があった。
U3223QEは、 パネルそのものにブルーライトの発生量が少ないLEDを使用することで、常時目の負担を軽減している。
また通常画面が黄色くなってしまうところ、色精度を維持しながら抑えているのもポイントだ。
メーカー:Dell
サイズ:31.5インチ
解像度:4K
画面:ノングレア
4辺スリムベゼル
最大90W給電対応
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シャッタースピードミスって動画がカクついてるのはご勘弁を。
色空間は「sRGB」に揃えて、輝度とコントラストはともに100%にしている。
確かにIPS Blackはやや鮮明だが、明るさMAXにして使うことはまずないだろうし、下げた状態だとそんなに変わらない。
おそらくネットに上がっている比較写真でIPS Blackが綺麗に見えるのは、次章で解説している色空間を「DCI-P3」に変更しているからだろう。
ただし輝度の最大値が400cd/m²になったことによる、明るさの違いは一目瞭然だ。
部屋の照明を落として、映画などを見ると違いがよくわかる。
これまでDellモニターの色空間は「sRGB」のみだったが、U3223QEは「DCI-P3」にも対応した。
一応「Rec.709」も選択できるが、sRGBより色域が狭く、自然な色表現に適さないため割愛する。
両者の違いは以下の通り。
sRGB | 項目 | DCI-P3 |
---|---|---|
1996年 | 策定年 | 2012年 |
Webブラウジング SNS用写真&動画編集 | 用途 | 映画視聴 本格動画編集 |
約95% | 色域 | 約150% |
比較的暗め | 赤・緑・水色 | 鮮やか |
ほぼ同じ | 青・白・黒 | ほぼ同じ |
このうちU3223QEは、sRGBは100%カバーしており、DCI-P3は98%カバーしている。
色域は、人間の視覚で認識できる色範囲を100%とした場合の指標のため、実際は約5%ほどDCI-P3のほうが多くの色を表現できるイメージだ。
※.100%を超える分は理論値。
カラースペースで確認すると主に「赤・緑・水色」の色域がsRGBより広いことがわかる。
つまり、これまで見えなかった色が表現され鮮明に映るということ。
それでは実際に見比べてみよう。
sRGB
DCI-P3
sRGB
DCI-P3
モニターを外から撮影した画像でもこれだけ違う。
全体的にDCI-P3の方が色がハッキリ見えるはず、そして海の青が濃い部分はそんなに変わらない。
sRGBで表現できない色は、白やグレーに置き換えられてしまうため、全体的に白っぽく映っている。
肉眼でみるともっと鮮やかに見えるわよ
では常にDCI-P3に設定しておけば良いかというと、そういうわけではない。
なぜならメジャーなSNSの色空間は「sRGB」で表現されているため、DCI-P3に合わせて画像や動画を作成しても変換されてしまうからだ。
つまり「映え」を気にするなら最初から「sRGB」に合わせて作成する必要がある。
そんなんいちいち切り替えるの面倒くさっと思ったあなた。
Dellモニター専用アプリ「Display Manager」なら、アプリごとに色空間を事前に指定できるのだ。
例えば、PhotoshopはSNS用に「sRGB」、Chromeは「DCI-P3」にしてNetflixを楽しむなんてこともできるぞ。
色々語ったが、あくまで一般用途向けモニターの中では映りが綺麗な方というだけ。
本格的に写真や動画編集を行いたい方は、カラーマネージメントモニターを検討したほうが良いだろう。
でもカラーマネージメントモニターはお値段がドーーンと上がるから予算と相談してね
※.2024年5月17日時点の価格
画面の精細さを表す指標PPI(Pixels Per Inch)はU3223QEモニター「137.68」に対し、AppleのRetinaディスプレイはどのモデルでも「220以上」あるため、Macを見慣れている方は、鮮明さや感動的な解像感は期待しない方が良いだろう。
ちなみに200PPI以上あれば、人間の目ではドットをほとんど感じられないとされている。
モニター映像とは、細かいドットの集合体で構成されている。
PPIが高いとドットの密度が上がるため、粗が目立たなくなるということ。
普段作業では100〜120PPIもあれば十分だが、画像を拡大したときやウィンドウを最大化して動画を見ると明らかに画質の劣化を感じる。
それってモニターサイズによっても差が出るということかしら?
その通り
鮮明さを求めるには31.5インチは大きすぎるんだ
じゃあなんで31.5インチにしたかというと、表示領域が広いからだ。
特にブログの参考資料や株のトレード画面を開く際は、モニターサイズの恩恵をモロに受ける。
普段は右側にサブモニターとして配置。
主にブラウザや付箋アプリ置き場となっているが、中央の27インチ縦向きと高さのバランスがちょうど良く気に入っている。
また別の仮想デスクトップでは、株価の一覧チェックに重宝している。
というより、これにしたくてこの構成にした。
そして一度デカイ画面を使うと、サイズダウンはありえないほど便利だし、すぐ慣れる。
さらに映画やアニメ視聴、動画編集などは、モニターを中央に持ってきてメインモニターとして使っている。
ただしこの構成はキーボードトレイとモニターアームありきなので、気になった方は以下も読んでみてほしい。
メーカー:Dell
サイズ:31.5インチ
解像度:4K
画面:ノングレア
4辺スリムベゼル
最大90W給電対応
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U3223QEはスピーカーが内蔵されていないモニターだ。
そのため音響機器を別に用意する必要がある。
俺はYAMAHAのMSP3Aを支柱5cmの極太モニターアームに吊るして設置した。
専用ブラケットと組み合わせるとVESA規格に取り付けられるのがポイント。
詳しくは以下で解説している。
デイジーチェーンとは、2台目以降のモニターをケーブルだけで映像出力できる技術。
Macの場合はThunderbolt3ポートを搭載しているモニターが必要なため、U3223QEは非対応。
U3223QEのポート類は、下部2つを除くとモニター裏に搭載されている。
ケーブルを隠しやすい反面、裏側に回って差し込む必要があり、頻繁に抜き差しするケーブルと使い分けが必要だ。
あとモニターに対し垂直に差し込むタイプのため、下から覗き込む必要があり、水平に差せるモニターと比べると使い勝手は悪い
その他のポート詳細はこちら。
映像出力でいえば、HDMI×1、DisplayPort×1、USB-C×1と3つあるので十分。
ただしHDMIケーブルは同梱されていないため、別途用意する必要あり。
できればモニター裏は黒が良かった。
シルバーの方が汚れも目立たず高級感はあるが、安っぽくても良いから俺は黒が好きなんだよ。
まぁどうせモニターアームに取り付けるから普段は見えないんだけどね
MacとWindowsを並べたり。
ワイプ表示したり。
画面分割も自由にカスタマイズできるため、このアプリ対応モデルであることはかなりメリット。
ちなみにWindowsでもMacでも使える、くわしくは以下で解説。
これまでのDellモニターは、3辺だけスリムで下部は太めのベゼルだ。
また中央にブランドロゴが刻印してあり、ちょっと主張が強いなぁと気になっていた。
U3223QEは、4辺スリムベゼルでロゴも消えている。
そのため、正面からの見栄えが非常に良い。
ベゼル幅
上左右:7mm
下:9mm
表示領域
横:70cm
縦:39cm
表示領域とは、ベゼルを除いた画面に実際に映る部分
モニターメニューに自己診断機能が追加された。
通常パネルに不具合が出た場合、モニター本体、ケーブル、パソコンそれぞれ原因を調べる必要がある。
自己診断はパネル異常を検知できるため、モニターの不具合を一発で確認可能だ。
U3223QEは、モニター裏にメニューの操作ボタンが設置されている。
つまりモニターを見ながら手探りで操作する必要があるため、誤操作で電源ボタンを押してしまう可能性が高い。
電源ボタンをロックしておけば、スイッチが無効化されるのでぜひやっておこう。
実はこのモニターを2年2ヶ月使っていたのだが、先日ちらつきが発生したため、Dellテクニカルサポートに連絡した。
すると4日で新品モニターが届くという神対応だったので、保証は手厚い。
メーカー:Dell
サイズ:31.5インチ
解像度:4K
画面:ノングレア
4辺スリムベゼル
最大90W給電対応
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項目 | サイズ |
---|---|
横向き時の台座からの高さ | 47〜61.8cm |
縦向き時の台座からの高さ | 72.6〜77cm |
左右の傾斜 | 30° |
上部の傾斜 | 5° |
下部の傾斜 | 21° |
回転 | 90° |
モニター装着時の最低奥行 | 16cm |
台座の横幅 | 24.8〜29.8cm |
台座の奥行 | 23cm |
台座の厚み | 1cm |
総重量 | 9.8kg |
項目 | サイズ |
---|---|
モニター横幅 | 71cm |
モニター横向きの表示領域 | 70cmcm |
モニター高さ | 41cm |
モニター高さの表示領域 | 39cm |
モニター本体奥行 | 5cm |
壁から最低奥行 | 16cm |
モニター重量 | 9.88kg |
外箱はかなりボコボコの状態で届いた…。
約14kgあるため、運ぶ際は気をつけよう。
中身は無事で安心。
メーカー:Dell
サイズ:31.5インチ
解像度:4K
画面:ノングレア
4辺スリムベゼル
最大90W給電対応
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スタンドとモニターアームそれぞれの取り付け方を解説した。
特にモニターアームは一工夫するだけで、取り回しが劇的に改善されるため、参考にしてほしい。
台座とポールだけ箱から取り出したら、差込口に入れる。
※.ディスプレイは取り出さないこと。
ポールを寝かせた状態で台座裏のネジを締める。
箱に入ったディスプレイの裏側からポールの爪を差し込む。
カッチリハマったことを確認後、そのまま裏側から持ち上げる。
本来はそのまま付属のネジを使うが、脱着が面倒なので、以下のように工夫すると非常に楽になる。
アームとモニターの間に専用ブラケットを挟めば、レバーだけで脱着が可能だ。
U3223QEは、Dell公式サイトからダウンロードできる専用ドライバがある。
ドライバがなくてもモニターを利用できるが、アップデートにより追加された機能が反映されないため、必ずインストールしておこう。
Dell公式サイトのドライバダウンロードページを開く
モニターのモデル名で検索
オペレーションシステムから「OSを選択」する。
一番下がモニター用ドライバ。
ファームウェアアップデートがあると、専用アプリも追加されているため、そちらもダウンロードしておこう。
ダウンロードしたら、それぞれ画面の指示に従ってインストールしよう。
アプリケーション内に「Dellフォルダ」が追加されるので、階層を展開していくとドライバファイルやアップデートアプリがインストールされている。
Flirmware Updater.appを開くと、現在のファームウェアバージョンが表示される。
新しいファームウェアがあれば、更新しておこう。
更新作業は1台ずつしかできないわよ
複数モニターを使っている方は他のモニターの電源は切ってね
ドライバと別に
Windows:「Dell Display Manage(DDM)」
Mac:「Dell Display and Peripheral Manager(DDPM)」
というDellモニター専用アプリも用意されている。
これを使うと利便性が爆上がりするので、必ずインストールしよう。
非対応のモニターもあるけど、U3223QEは使えるよ
その他Mac専用のカラーキャリブレーションを行えるソフトもある。
別途キャリブレーション測光器が必要だが、Dellのテクニカルサポートに連絡したところ、macOS14以降では非対応のようだ。
2022年2月16日
2024年5月17日時点ではない。
スピーカー非搭載のためできない。
高速データ通信に対応しているUSB-Aポートは5つあり、十分だろう。
またLANケーブル接続にも対応しているため、パソコン側のポートを節約することも可能だ。
特にUSB-Cケーブルは1mしかないため、パソコンの位置によって足りない可能性がある。
とはいえ、USB-CおよびThunderbolt規格をモニターケーブルとして利用する場合は1m以内が望ましいので、それ以上の長さが必要ならHDMIかDisplayPortがおすすめだ。
USB-CやThunderbolt規格をモニターケーブルとして使用する場合の注意点や規格の違いは、以下でガッツリ解説している。
90Wまで
100mm×100mmのみ対応。
付属のネジを使ってモニターアームを取り付けることもできるが、ブラケットを1枚挟むだけで脱着がめちゃ楽になるからおすすめ。
必要ない。
付属の説明書はほぼ意味がなく、一応公式サイトよりPDFが配布されている。
ただしこれも長いだけで不親切なので、以下でわかりやすい設定方法を書いた。
Windowsのみ対応している。
その他の条件や接続台数は以下で解説。
主な機能はこんなところだ。
特に画面分割は他のアプリが不要になるほど便利である。
他にも様々な機能があるので、詳しくは以下の解説をどうぞ。
公式サイトおよび、Dell認定の販売店、正規代理店で新品購入した場合は3年間。
以上、Dell U3223QEモニターをレビューした。
モニタースペックはぼちぼちだが、専用アプリは便利すぎて最高だ。
現在のクアッドモニター環境のうち、アプリ対応しているのはこのU3223QEだけなので、ほかを買い替えるときは絶対に対応モニターにする。
カラーマネージメントモニターは手が出ないけど、色味が綺麗なモニターを探している方におすすめ。
メーカー:Dell
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