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ジャンケンの勝敗が双子の明暗を分けた【夢で見たあの子のために】

  • 「わしには将来お前が幸せになる姿しか見えん」
  • 「復讐なんてバカげた事考えるのいい加減やめなよ」
  • 「わらわないわよね」

絶望中の人間にポジティブな未来など描けるはずもない。

夢で見たあの子のために夢で見たあの子のために

主人公「千里(せんり)」は、酒乱のクソ親父とそんな父から離れないダメな母親に育てられた。

こんな環境でも平気だったのは、双子の兄「一登(かずと)」がいたからだ。

本当に仲が良く、兄の存在は弟の支えとなっていた。

さらにこの2人、視覚や痛みを共有する双子ならではの不思議な力を持っている。一方の見た景色はもう片方にも視え、一方が殴られればもう片方にも痛みが伝わる。

ある日、いつものように夫婦喧嘩(親父が暴れ出した)が始まった。喧嘩が始まると兄は弟を納戸に隠し、親父を止めにいく。

しかしこの日は、ジャンケンをしようと言い出す「千里」いつも兄だけに頼るわけにはいかないと彼なりの気遣いだろう。

ジャンケン・ポン……「一登」の勝ちである。

結局「千里」が納戸に隠れ、親父が静まるのを待つ。だがこの日は様子が違っていた。いつもは止めに行ってすぐ殴られ、痛みを共有するが、この日は痛みが来ない……。

反対にいつもしない音や悲鳴……「一登」を助けなきゃと思う反面、恐怖で身体が動かなくなった。

その時、捻れるような痛みが肩に走る……。ようやくリビングに向かうと滅多刺しにされた両親が横たわり「一登」の姿はなかった……。

何が起きたのかわからない「千里」だが、視覚共有により「一登」が連れ去られたのは理解した。

両親の死より「一登」がいなくなったショックの方がはるかに大きかったが、まだ希望はあった。連れ去られはしたが、「一登」が生きていることを知っていたからだ。

「千里」の頭の中は「一登」のことでいっぱいだった。

  • ご飯は?
  • ちゃんと寝れているか?
  • 今どこにいる?

それだけが5歳の少年の生きる(かて)となっていた。

しかしある晩のこと、頭に猛烈な痛みが走った。痛覚共有である。次に視覚共有……。

目の前には覆面を被り、鉈を持った男がこちらに向かってくる。その直後、激しい痛みを感じ「千里」は意識を失う。

目が覚めると視覚共有は完全に遮断、兄が死んだことを確信した。「一登」だけが心の支えになっていた少年は、絶望感に(さいな)まれた

それから13年の月日が経ち「千里」は18歳になった。

「一登」が死んだあの日から「千里」の生きる目的は兄を奪った男への「復讐」だけだ。

そのためには金がいると考え、中学に入ってすぐにバイトを始める。しかしバイト代など雀の涙であり、もっと金を稼ぐ必要があった。そのため汚い金儲けに手を付け、悪に染まっていった。

手がかりは「火の男

「千里」が最後に見た男の右腕に「火」のような傷跡があったからだ。

ミステリー要素をいくつか
  • 「火の男」はなぜ両親を殺したのか?誰なのか?
  • なぜ「一登」はその場で殺されず連れ去られたのか?
  • 家庭に問題がある子供を預る施設「もみじ園」
  • 何かを隠している祖父
  • 「千里」を心配する幼馴染「恵南(えなん)」と両親の関係
  • 「火の男」に父親を殺された刑事

などなど、ミステリー要素や伏線は随所に散りばめられており、読み始めたら止まらなくなる作品だ。またこの漫画を一言で表すなら「犯人に復讐するためのミステリーもの」になる。

アニメ化実写映画化もされた「僕だけがいない街」が好きな人・三部先生の世界観が好きな人なら100%ハマること間違いなしの作品。気になった方は試し読みからどうぞ。

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