「カゲサイ」では管理人の趣味枠として、ジャンル別に漫画を紹介している。中でも「格闘漫画」は学生時代にバイト代を注ぎ込み、アホみたいに読んだ懐かしい思い出。
小学生の頃からK−1にハマり、大晦日はガキ使より格闘技を観てたし、20代の頃は空手と合気道を習っていた。
そんな経験も踏まえ、今(30代)読んでも楽しめるものだけを10作紹介する。
やらなければやられる【軍鶏】
初めて読んだのは高校生の時、いろいろな意味で衝撃を受けた作品の1つ。
それまでは試合やトーナメント中心の近代格闘モノを読んでいたが、「軍鶏」は1人の人間がドン底まで堕ちてゆくダークストーリーを描いている。
もともと東大合格確実と言われていた少年「成嶋 亮」は、ある昼下がりに両親をメッタ刺しにして◯殺。
そのまま鑑別所へ。しかし同じ犯罪者の中でも「親◯し」は受け入れられず、中で残酷なリンチを受ける。
生きることに絶望している中、体育の授業で「空手」に出会う。
もともとひ弱で喧嘩などしたこともない優等生だったが「やらなければやられる」……置かれた環境が少年に変化をもたらす。
刑務所内でも頭角を表すようになり、出所する頃にはまるで別人、人の壊し方を学んだ悪魔のような男になっていた。
その後も「親◯し」が受け入れられるはずもなく、闇社会での生活を余儀なくされる。
人間社会の闇にとことん向き合った空手漫画史に残る傑作。

「原作者」と「漫画家」の間で著作権争いが生じ、一時連載がストップするなどいろんな意味で問題作と言われています。
試し読みするKindleで読む全22巻・完結 |
ストーリーは完全にフィクションだが、主人公のモデルになったのは極真空手の「成島 竜」選手。
彼は無差別級で行われる試合において、軽量級ながら「一撃の竜」として名を馳せた。
その技のキレは本物。三日月蹴りや上段蹴りから片足を浮かせたままの中段突きは必見。
勝ち負けよりも先にあるもの【肉の唄 究極マッスル伝説】
わけあって総合格闘技界を追放された「一色 亮太」は、その日暮らしのプータローに成り下がりクソみたいな人生を送っていた。
この日も金がなく困っていたところ、プロレス道場の案内を発見。道場破りを決意する。
しかし、道場で出された条件は試合ではなく、ヒンズースクワット1本勝負。しかも相手は道場最弱の元引きこもり。
最初は楽勝ムードだったが、この勝負で男の価値観は崩れ去る……。

最強なのに最強じゃない……プロレス流儀が面白おかしく描かれた作品。
試し読みするKindleで読む全3巻・完結 |
父親の頚椎を目の前で……【格闘太陽伝ガチ】
有名プロレスラーを父に持つ主人公「原田 太陽」
彼にとって父は目標であり、越えるべき大きな壁だった。
ある日、親父とその親友、柔道日本代表の「砦 一馬」が試合を行うことになる。
単なるエキシビションマッチのはずが、「砦」はある恐ろしいことを実行し、親父さんは重傷を負され敗れた。
仇を討つべく、打倒「砦」に燃える「太陽」がプロの世界で少しづつ成長していく物語。

この漫画はかなりリアルに描かれています。
主人公はなんども負けますし、余裕勝ちもほとんどないので総合のリアルさを読みたい人にオススメ。
試し読みするKindleで読む全12巻・完結 |
純度100%の武術家たちによる真剣勝負【餓狼伝】
主人公は「空手」をベースにした超A級レベルの武道家「丹波 文七」
最初は順調に異種格闘技戦(ケンカ)を勝ち抜くが、最後に立ち寄ったプロレス道場で屈辱的な敗北を喫した。
それから3年……徹底的に身体を作り直し、復活劇を遂げる。
裏の主役でもある「松尾 象山」率いる空手団体「北辰会館」と「グレート巽」率いるプロレス団体「FAW」のトーナメント戦がストーリーの7割を占める。←これがめちゃくちゃ面白い。
格闘技ファンであれば、リアルでこの2人の絡みや試合は見たいところだし、そんなことを想像しながら読んでるとどんどん引き込まれる。
唯一惜しいのが、最後の終わり方。めっちゃ良いところで終わる。
それと作画が「刃牙」でおなじみの「板垣先生」なのでファンには堪らない。

見開きに載ってる「泣き虫サクラ」という両眼球をくり抜かれた選手のストーリーは、強烈でかなり面白いですよ。
試し読みするKindleで読む全26巻・完結 |
ヤンキーを狩る最強の引きこもり【ホーリーランド】
元いじめられっ子の引きこもり「神城 ユウ」は、ボクシングの基礎本を買い、ワンツーのみを一日5000回それを1年以上続けた。ある時、夜の街に出てみるとすぐさまガタイの良い輩に絡まれる。
しかし次の瞬間、相手の男は意識を失う。
そこそこ名の知れたヤンキーを狩った噂は瞬く間に広まり、いつしか「ヤンキー狩り」という通り名をつけられる。
その後も「柔道」「空手」「剣道」「レスリング」「キックボクシング」「日本拳法」など、ハイブリット闘技者たちと拳を交えていく。
作者も武道経験者なので、蹴りやパンチの角度、筋トレ方法、「試合」と「喧嘩」の心理的違いなど鮮明に描かれているので、格闘経験者はより楽しめるはず。

特別ガタイいいわけでもないのに、やたら喧嘩強かったり、格闘センスあるヤツって手足が長いという特徴があります。
本作の主人公もまさにそのタイプ。
試し読みするKindleで読む全18巻・完結 |
作画×エロ×ギャグ×技の究極コラボ【空手小公子 小日向海流】
もともとは体操部だった主人公「海流」
ひょんな事からバトルジャンキー「武藤 竜二」と出会い、空手部に入部する。
人を殴ったこともない青年が
- ・手足の皮がベリベリにめくれるまで巻藁を突き
- ・調子に乗った初喧嘩ではボロクソにやられ
- ・試合に出ればアバラがバキバキに折れるまで嬲られ
成長していく物語。
作者が空手経験者というのもあり、稽古風景や試合描写はこだわりが存分に発揮されている。
ゴリゴリの格闘技押し漫画ではないので「空手」を全く知らない人が読んでも楽しめるはず。

キレた時の顔や筋肉の書き方が超好み。
ちなみに、あびる優の旦那さん「才賀紀左衛門」選手が「海流」のモデルです。
試し読みするKindleで読む全50巻・完結 |
拳に命をかけた師弟が歩むイバラ道【拳闘暗黒伝セスタス】
古代ローマ時代が舞台のストーリー。
当時コロシアムで殴り合いをさせる奴隷を「拳奴」と呼んだ。
グローブの代わりに革に鉄が打ち込まれたものを装着し、負ければ殺◯れる可能性も、試合中に相手を殺◯ことも認められている試合。
この世界でまだ身体が出来上がっていない15歳の少年が生き抜くには「スピード」と「ディフェンス」を中心とした拳闘技術を身につけざるおえなかった。
当時の政治情勢もかなり詳しく書かれており、ストーリーは抜群に面白い。(作者が変態レベルで取材や文献を漁っている様子が伝わってきます)

師匠の「ザファル」が渋くてめちゃくちゃカッコいいんすよね。
唯一の不満は、刊行ペースが「年一」なところ。
試し読みするKindleで読む全15巻・完結 |
相撲という名の殺し合い【火ノ丸相撲】
幼少時代は「小学生横綱」として名を馳せた「潮 火ノ丸」、無情にも彼の身長は152cmで止まってしまった。
そのため中学では結果が出ず、一旦表舞台から姿を消し、3年先を見据えた稽古に取り組む。
そして、まともな部員すらいない超弱小校に入学し、仲間を1人づつ増やしていきながら、インターハイを目指す物語。
- 前編ーインターハイ編
- 後編ー大相撲編
の2部作品
ジャンプ連載の格闘漫画は、人気が出ずに終わってしまうことが多いが、この漫画は大ヒット作。しかも「相撲」という難しいジャンルでは初の快挙。

久世vs天王寺戦が一番好きなシーン。
小柄な選手が活躍するっていう王道パターンなのですが、キャラ作りやセリフが洗練されているので、相撲を知らない人でも楽しく読めるはず。
試し読みするKindleで読む完結・全28巻 |
生きるために食うんや【高校鉄拳伝タフ】
灘神影流14代目当主の親父に、ガキの頃からミッチリ鍛えてもらった主人公「宮沢 喜一」
ありとあらゆる状況を想定した武術で、次々と出てくる敵とバチバチやりあっていく。長編作品だが、出てくるキャラも個性豊かで流派もそれぞれなので、飽きずに読み込めます。
特にすげーと思うのは、作中に出てくる寝技のオリジナリティ。よくこんな技思いつくなぁと寝技の知識がある人は、より楽しめます。

地味な寝技をここまで魅力的に描く漫画は他にないですね。
特に「毒蛭観音開き」って技が変態すぎる。笑
試し読みするKindleで読む全42巻・完結 |
史上最強の生物を倒せるか?【グラップラー刃牙】
史上最強の親父「範馬 勇次郎」を持つ少年「刃牙」が、親父を倒すために紆余曲折しながら成長していく物語。
一言でいうと、超迷惑な親子ゲンカ。
この作品は実在した人物が多数登場するので、格闘技マニアほど楽しめる。
あまりにもメジャーなので最後の紹介になったが、私が中学生のとき初めて買った単行本が「刃牙」だ。
格闘漫画の歴史を作った金字塔といえる名作。

作中に出てくる「渋川 剛気」のモデルになった「塩田 剛三」が生きていれば生合気を体験したかったなぁと本当に思います。
塩田剛三の神業動画はこちら(多分素人が見ても信じないだろうけど)「塩田剛三の神動画」
試し読みするKindleで読む全42巻+外伝・完結 |
格闘漫画おすすめ【まとめ】
以上格闘技好きの管理人によるオススメ10作品でした。
格闘漫画の醍醐味は最強の気分に浸れる……これに尽きます。ムカついた上司や先輩を心の中でなんどタコ殴りにしたことか。笑
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